4-7 山陵(みささぎ)の吸筒さがす夕(ゆうべ)かな(初案の「詠み」と「句意」)
山陵(やまがら)の吸筒さがす夕(ゆうべ)かな(再案の「詠み」と「句意」)
(再案の「詠み」と「句意」)
この句は、其角の「山陵(カラ)の壱歩をまはす師走哉 (『いつを昔』)」の句を踏まえての一句と解するのが妥当のようである。
句意=「山雀(やまがら・三夏)」が「山陵(みささぎ)」で「夕べ」の「吸筒(水筒・水飲み場)を探している。其角の句を踏まえると、「山雀利口」(座頭市から高利の借金をして当座の遣り繰りをする者)が「三両(山陵)一歩」の「高利貸し」に、この「夕べ」の「吸筒(食い扶持))」に四苦八苦している。
http://yahantei.blogspot.com/2007/03/blog-post_24.html
【(謎解き・五十)
○ 山陵(カラ)の壱歩をまはす師走哉 (其角『いつを昔』)
https://paradjanov.biz/art/favorite_art/favorites_j/4473/
Title:百千鳥 「山雀 紀定丸 鶯 則有遊」 Penduline Tit (Yamagara) and Bush Warbler (Uguisu), from the album
Momo chidori kyôka awase (Myriad Birds: A Kyôka Competition)
Artist:喜多川歌麿
Kitagawa Utamaro
Dates:1790年頃
山雀 君は床をもぬけのくるみわればかり ちからおとしの恋の山がら
鶯 のきちかくほほうとつくる一声は 我恋中をみたかうぐいす
(初案の「詠み」と「句意」)
https://kigosai.sub.jp/001/archives/2233
【関連季語】 鵲の橋、鵲の巣
【解説】 七夕伝説に登場する鳥。天の川を渡る織姫のために羽を連ねて橋を作るという。カラスに似ているが腹部が白いのでカラスと見分けられる。
【文学での言及】
かささぎの渡せる橋におく霜の白きをみれば夜ぞふけにける 大伴家持『新古今集』
【実証的見解】 鵲は、スズメ目カラス科の鳥で、日本ではおもに北九州地方に生息する。体長約四十センチで、全体的に黒く、肩や羽、腹部の一部が白い。穀類や木の実などを食べるほか、秋にはイナゴなどの害虫も食べることから、益鳥とされる。十二月ころから三月ころまでが繁殖期で、枝や竹、ハンガーなどを用いて高い木の梢や電柱の上に巣を作る。産卵数は五個から八個くらいで、四月ころから巣立ちを始める。
【例句】
かささぎや石を重りの橋も有り 其角「浮世の北」
※俳諧・鷹筑波(1638)二「さとりて見ればからき世の中 すひ筒に酒入てをくぜん坊主〈時之〉」(「精選版
日本国語大辞典」)
渡辺省亭『花鳥画帖(迎賓館赤坂離宮七宝下絵)』より「鵲図」東京国立博物館蔵
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