4-6 田の畔に居眠る雁や旅つかれ
季語=雁(かり)=雁(かり)晩秋
【解説】 晩秋に北方から来て春には帰る。体は肥っていて灰褐色。頚が長く尾は短い。グァングァンと声を発しつつ棹型や鉤型に並んで飛翔する。雁をかりがねと呼ぶのは古来、多くの人がその声をめでたからである。
【例句】
病雁の夜寒に落ちて旅寝かな 芭蕉「猿蓑」
雲とへだつ友かや雁のいきわかれ 芭蕉「蕉翁全伝」
雁の腹見すかす空や船の上 其角「其便」
雲冷ゆる夜半に低し雁の聲 丈草「誹諧曽我」
初雁や通り過して聲ばかり 千代尼「千代尼句集」
初雁に羽織の紐を忘れけり 蕪村「新五子稿」
歌川広重筆「月に雁」(部分図)
https://intojapanwaraku.com/art/1110/
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