4-5 魚狗(かわせみ)や笹をこもれて水のうへ
【関連季語】 山翡翠、赤翡翠
【解説】 渓流などで水中の魚を狙う翡翠色の鳥。高いところから急降下して、魚をたくみに捕らえる。四季を通じてみられるが、水辺にいる様子が涼しげなので夏の季語とする。
【来歴】 『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【実証的見解】 ブッポウソウ目カワセミ科の鳥類。日本全土に生息し、渓流などの水辺に見られる。全長は十七センチほど。嘴が長く、頭が大きい。色は全体的に青く、腹部はオレンジ色。からだの色が鮮やかなため「空飛ぶ宝石」と呼ばれ、「翡翠(ひすい)」の字を当てる。水面に突き出た枝や杭に止まったり、空中でのホバリング(停止飛行)をして魚を待構える。魚が水面近くまで上がってくるとダイビングをしてくちばしで捕らえる。
【例句】
翡翠のまぎれて住むか杜若 桃隣「別座鋪」
川蝉の風かをるかとおもひけり 蓼太「蓼太句集初編」
http://rijitin.livedoor.biz/archives/7575803.html
「芦にかわせみ」(落款・前北斎為一筆/文政(1818~1830)/ 26.0cm×38.0cm(大判横1枚)/神奈川県立歴史博物館蔵)
https://ch.kanagawa-museum.jp/dm/ukiyoe/esi/katusika/d_katusika05.html
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