4-10 蒼鷹(そうよう)の拳はなれて江戸の色
【解説】 ワシ、タカ科の中形の鳥類の総称で、色彩は主に暗褐色。嘴は強く鋭く曲がり、脚には強い大きな鉤爪があり小動物を襲って食べる。鷹狩に使われているのは主に大鷹である。蒼鷹(もろがえり)は、生後三年を経たたかのこと。
【例句】
鷹一つ見付けてうれし伊良古崎 芭蕉「笈の小文」
夢よりも現の鷹ぞ頼もしき 芭蕉「鵲尾冠」
鷹の目の枯野にすわるあらしかな 丈草「菊の香」
あら浪に山やはなれて鷹の影 麦水「葛箒」
落し来る鷹にこぼるる松葉かな 白雄「白雄句集」
鷹来るや蝦夷を去る事一百里 一茶「寛政句帖」
葛飾北斎「桜に鷹」 天保5年(1834)頃 前北斎為一筆 長大判錦絵 52.0×23.6㎝ 森屋治兵衛
https://intojapanwaraku.com/art/2317/
句意は、「鷹匠(たかじょう)の拳を放れた青鷹(あおたか)は、今まさに、江戸爛漫の宙(そら)に輝いている。」
※万葉(8C後)一七・四〇一一「鷹はしも 数多(あまた)あれども 矢形尾(やかたを)の
吾が大黒に〈大黒は蒼鷹の名なり〉 白塗の 鈴取り附けて」()
酒井抱一筆「植物の上の鷹(カラー木版画)」
「同上(部分拡大図)
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