水曜日, 2月 01, 2023

第四 椎の木かげ(4-6)

 4-6  田の畔に居眠る雁や旅つかれ 

季語=雁(かり)=雁(かり)晩秋

 https://kigosai.sub.jp/001/archives/2607

 【子季語】 雁(がん)、かりがね、真雁、菱喰、沼太郎、酒面雁、雲井の雁、小田の雁、病雁、四十雀雁、白雁、黒雁、初雁、雁渡る、天津雁、雁の棹、雁行、雁の列、落雁、雁鳴く、雁が音

【解説】 晩秋に北方から来て春には帰る。体は肥っていて灰褐色。頚が長く尾は短い。グァングァンと声を発しつつ棹型や鉤型に並んで飛翔する。雁をかりがねと呼ぶのは古来、多くの人がその声をめでたからである。

【例句】

病雁の夜寒に落ちて旅寝かな 芭蕉「猿蓑」

雲とへだつ友かや雁のいきわかれ 芭蕉「蕉翁全伝」

雁の腹見すかす空や船の上 其角「其便」

雲冷ゆる夜半に低し雁の聲 丈草「誹諧曽我」

初雁や通り過して聲ばかり 千代尼「千代尼句集」

初雁に羽織の紐を忘れけり 蕪村「新五子稿」

 

歌川広重筆「月に雁」(部分図)

https://intojapanwaraku.com/art/1110/

  句意は、「晩秋を彩る雁の群れが、田の畔で居眠りをしている。長い旅路の疲れを癒していることよ。」

 

0 件のコメント: