水曜日, 2月 01, 2023

第四 椎の木かげ(4-10)

 4-10 蒼鷹(そうよう)の拳はなれて江戸の色

 季語=蒼鷹(そうよう)=鷹(たか)三冬

 https://kigosai.sub.jp/001/archives/2878

 【子季語】 のすり、八角鷹、熊鷹、鶚、青鷹、蒼鷹、もろがへり、大鷹

【解説】 ワシ、タカ科の中形の鳥類の総称で、色彩は主に暗褐色。嘴は強く鋭く曲がり、脚には強い大きな鉤爪があり小動物を襲って食べる。鷹狩に使われているのは主に大鷹である。蒼鷹(もろがえり)は、生後三年を経たたかのこと。

【例句】

鷹一つ見付けてうれし伊良古崎 芭蕉「笈の小文」

夢よりも現の鷹ぞ頼もしき   芭蕉「鵲尾冠」

鷹の目の枯野にすわるあらしかな 丈草「菊の香」

あら浪に山やはなれて鷹の影   麦水「葛箒」

落し来る鷹にこぼるる松葉かな  白雄「白雄句集」

鷹来るや蝦夷を去る事一百里   一茶「寛政句帖」

 

葛飾北斎「桜に鷹」 天保5年(1834)頃 前北斎為一筆 長大判錦絵 52.0×23.6㎝ 森屋治兵衛

https://intojapanwaraku.com/art/2317/

 句意は、「鷹匠(たかじょう)の拳を放れた青鷹(あおたか)は、今まさに、江戸爛漫の宙(そら)に輝いている。」

 ※「青鷹・蒼鷹(あおたか・あをたか・そうよう)」=「おおたか(大鷹)」の古名。古来、鷹狩り用として、最も珍重された種類。もろがえり。

※万葉(8C後)一七・四〇一一「鷹はしも 数多(あまた)あれども 矢形尾(やかたを)の 吾が大黒に〈大黒は蒼鷹の名なり〉 白塗の 鈴取り附けて」()

 

酒井抱一筆「植物の上の鷹(カラー木版画)」

 

「同上(部分拡大図)

https://www.meisterdrucke.jp/fine-art-prints/Sakai-Hoitsu/1033857/%E6%A4%8D%E7%89%A9%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AE%E9%B7%B9%EF%BC%88%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E6%9C%A8%E7%89%88%E7%94%BB.html

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